暗闇デザイン

“いい人”デザイナーがブラック企業の闇で手探りの日々をすごすおはなし

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人工股関節置換手術

近い未来の課題、人工股関節置換手術

千原ジュニアさんの人工関節置換手術のニュースを見た。

辛い痛みに悩まされていたそうだから、無事成功したそうで、とても喜ばしいこと。

 

普段はあまり気にしない芸能人のニュースなのだけれど、「人工股関節」には関心を持たずにはいられなかった。

なぜなら私自身、左右の「臼蓋形成不全」による「左変形性股関節症」と19年前に診断され、いずれは複数ある選択肢のなかから方法を選ばなければいけない。

そして最近、右の股関節に時折、覚えのある痛みが発現するようになってきている。

 

診断は唐突に

関節内部に太い針を刺されたかのような急な痛みやじわじわとした痛みが連日起こるようになり、町の整形外科でのレントゲン後、大学病院に行くよう紹介状をいただいた。

その時点で、すでに焦っているのだけれど、きっと自分に限って大したことはないはず!と思っていた。

ただ診断を受けたときは、とにかく痛みに耐え、十分な知識もなく、「手術が必要」ということに、まだ1歳にもならない娘を抱えて、言葉がでなかった。

 

だって、これから子育てしながら休みなく働かなければならないのに?

娘は大きくなるにつれて重くなるし、毎日の階段の上り下りもあるのに?

バスケに剣道にとだいぶ足を酷使してきたけど、それがだめだった?

 

検査をしたのが大学病院だったこともあってか、

すべてが呑み込めていないのにも関わらず、

「手術するならいつにしますか?来月だったら空いてますよ?今日予約とりますか?」とPCモニターのスケジュールをみながらいわれたのを覚えている。

 

「子どもが小さいので、今すぐには…少し検討させてください…」

そういうと、

 

「切らないならできることはないので、病気の詳しいことは本でも買ってご自身で調べてみてください」と。

 

そのときはものすごくショックだったこともあって、子どもを連れて歩く帰り道、

「1歳未満の子どもがいて、お金だってないのに、そうすぐに入院なんて決められるさけないだろうが!!」と沸々と怒りが。

でも、大学病院できっともっと深刻な症例の人がたくさん訪れるのだろうから、私の脚なんて全然大したことないのだろうし、そんなものなのだろうと次第に思うようになった。

 

「優しく寄り添ってくれるけど手術の下手な医師」と

「人格破綻しているけど、手術は完璧」なら

後者のほうが圧倒的にいい。

 

まぁあの時の医師が人格破綻していたのか、腕が良かったのかどうかは、

結局受けていないからわからないけれど。

 

臼蓋形成不全とはなんぞ?

 

 

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臼蓋形成不全とは読んで字のごとく

臼蓋がきちんと形成されていない状態のこと。(図左)

 

「臼蓋」は股関節において、大腿骨(フトモモの骨)を受け止めてホールドする部分

私の場合、この臼蓋の屋根が一般的な人より足りなくて、大腿骨がしっかり受け止めきれずに外に抜けようとするため、関節部分に力がかかってしまい、やがて関節が変形したり壊れてしまったりするというもの。

 

千原さんの病気は「特発性大腿骨頭壊死」という病気で厚生労働省特定疾患にも指定されている。私とは異なるものだけれど、その痛みの種類は容易に想像ができる。

体の中で一番大きい骨である骨盤と連結する部分が痛む・・・。

身体の内側から痛みがやってくる。

酷いときには足を取り外したい!!!と何度も思った。

 


手術の方法はざっくり2通り

①人工股関節に取り換える

②自身の骨をカンカンっと削ってずらして、足りない屋根の建設工事をする

 

私が診断を受けた19年前の情報では、

 

人工関節

リハビリが早く、退院も通常生活に戻るのも楽。

・人工関節自体にも耐用年数があり、劣化もしていくので、若いうちに置換してしまうと高齢になってからの再手術が必要になることが多い

・入院期間は短いから入院費は節約できるが、人工関節のグレードもさまざまでコストがかかる

・予後が安定していて、元の生活に戻りやすい傾向。

 

自骨による骨切り術

・切り出した骨をずらしてボルトで固定し仮の屋根ができあがってからリハビリ開始となるため、術後の寝たきりの期間も入院期間も数か月…とかなり長い。

・入院期間が長いため、入院費がかさむ

・痛みが残ることや、足の長さに後々差が出るなどがあり得る

 

どちらにもメリットデメリットがあり、当時の私には子どもをおいて数か月入院なんてできないし、かといってサクッと人工関節を用意する財力もない。

 

第三の方法 温存療法

手術をしない(できない)人も、世の中には多くいるわけで。

選んだわけではないけれど、結果的にギリまでこの骨と脚で行けるところまでいってみよう、という気持ちに切り替わったころには、

抱っこばかりせがんだ娘は自分の足で歩きだし、衰えた脚の筋力をつけなおすために、体重のかからないトレーニングでもともと趣味だった泳ぐことをなるべく習慣にするようにした。

 

それから痛みはなくなっていき、台風の前やちょっと体重オーバー気味の時のアラートとして今は付き合うようになった。

 

女性は40過ぎから急激に骨密度が落ちるもの。

食生活がデタラメな私は、それが何より恐ろしい!

整形外科的には40くらいまでは若い(骨が)とされる。

この10年のうちに、もう一度この脚をどうするのか、判断しないといけない日がきっとくる。

 

最近、ストレスや深夜残業&夕食で劇的に増えた体重を何とか戻しつつあるものの、骨は正直。痛い。

そして、目に見える症状ではないから、なんとなく「実は足が良くないんです」なんてなかなかいうこともないし、結構、無理もしてしまう。

 

意識しないと身体を保てない年齢になったのだと思って、もう少し労わりつつ鍛えないと。